アトピスマイルクリームのヒットから12年、2014年に勇心酒造は創業160年を迎えました。
徳山がライスパワーエキスの研究をはじめてから40年が経過し、現在では36種類のライスパワーエキスが生み出されました。その中でも科学的に効果が認められ、ナンバーが付けられた11種類は商品として実用化され、世に出ています。
そして今後も新たなライスパワーエキスの開発を行っていくために、未来を見据えた活動を行っています。
社員杜氏の酒造り
ライスパワーエキスの研究・開発をはじめてから、エキスを使った商品化を進める中で、清酒の売り上げは会社全体の売り上げの中でも1%以下にまで落ち込みました。そんな状況の中でも、経営が安定してきたことを契機に、徳山は発酵技術の原点である酒造りの本格強化に着手しました。
酒造の酒造りというのは杜氏に頼って行うのが酒造業界の古くからの慣例ですが、勇心酒造は2000年頃から社員による酒造りに挑戦しています。発酵技術はライスパワーエキス研究の原点であり、研究によって培われた技術を酒造りにも生かすことができると考えたのです。
しかし、発酵をコントロールする技術があっても、酒造りに必要な醸造に関しては素人であり、満足のいく清酒を造るのは簡単なことではありませんでした。
それでも、勇心酒造の原点である「酒造り」をおろそかにしてはならない、という気持ちのもと試行錯誤を続け、2012年についに3種類の新たな清酒「吟醸9号」「吟醸14号」「大吟醸」を発売しました。
3種類のうち、9号と14号は2013年にかがわ県産品コンクールで県知事賞を受賞。これによって、「酒造」としてもまた新たな一歩を踏み出したのです。
次の160年を見据えて
研究開発企業としての活動も、日々活発になっています。
「天然物薬用研究会(てんねんぶつやくようけんきゅうかい)」は勇心酒造の研究をサポートし、ライスパワープロジェクトの中核を担っていましたが、1993年の発足後しばらくして、資金難などの理由で長い間活動を中断していました。しかし2015年11月、経営も軌道に乗り諸々の条件が揃ったところで、8年ぶりに活動を再開することができました。第7回目となる研究会には全国から約40人研究者が出席し、ライスパワーエキスに関する最新の研究成果が発表されました。久々の開催にも関わらず、大学や病院の先生方、国や県の研究機関の研究員の方々など様々な方にご参加いただき、活発な意見交換が行われました。
長く研究会の活動を休止している間にも新しいライスパワーエキスが開発されており、まだ効能の裏付けができていないエキスが多く存在します。皆様によりよいライスパワー商品が提供できるよう、今後も研究会の力添えを欠かすことはできません。
徳山が大学院時代に辿り着いた「理念」をもとに開発を行ったライスパワーエキス。よりよい素材開発、素材を実用化するための商品開発を行うことが徳山の使命であり、今や勇心酒造全体の使命でもあります。
企業の拡大を目的とするのではなく、継続させること、そしてより皆様の生活を豊かにするために、勇心酒造は酒蔵から研究開発企業へと姿を変え、次の160年を見据えたライスパワーエキス研究を行っていきます。